僕の名前は、ドグナ・ミラン・ディクドトリ。
ワカメの国の大学生になったが、まだ、何をするか決まっておらず
なんとなく学校の授業には出て、日々を過ごしていた。
そのうち、そういった日々がだんだんと変わってきて、僕は自分の部屋に閉じこもって一日を過ごしたり、ふと調べたいことが頭をよぎり図書館に足を傾けるといった行動をする日々になっていった――
ディクドトリはコンブの国について調べていた。
国の組織に少し疑問を感じていたのだ。
政府に関することについての本を片っ端から読んでいった。
図書館で本を借りて、読んだ。
国のトップ五人集についてはコンブの国の人なら誰でも知っている。
小学校で習うことだし、大体の場合は政府=五閣の事w意味している。
僕は、その五人集1人1人について詳しく調べていった。
…まあ、なんと言っても五人集の中で最も怪しいのは占い師のマコアだ。
誰がどう見ても、明らかに彼女が怪しい。
あの人はたまにテレビに出るが、まるで「私は怪しい人ですよ」とでも言いたげな服装をしている。
一体どういう人なのだろうか。
僕はモヨリについて調べ始めた。
でもその人に関しての文書はなかなか見つからなかった。
どうしても見つからず、手をこまねいていたが、少しだけ彼女に関して記してある記事を見つけた。
それは占いの本だった。
コラムの特別インタビューで彼女は語っていた。
僕はいったいどうしてもっと早くにこの雑誌の事を思い出さなかったのだろうか。
有名な占いの雑誌なのに。
姉が読んでいたその雑誌がリビングに置いてあるのを手に取りパラパラっと何の気なしに
めくっていたら、偶然に見つけたのだ。
見出しはこうだった。
「トップ五人集の1人『国』をも占える程の強力な力保持しているモヨリが語る!!占い師になるには」
やけに長い見出しで、僕は見出しとしてはかなり駄目な方だなと思った。
やっとこさ見つけられた彼女に関しての文章だったが、そのインタビューの会話文には僕の望んでいる情報は無かった。
彼女は、なんだか訳の分からない魔術だの、占いだのについてを、専門用語を使ってとても分かりにくく語っており、
たぶんインタビュアーの人も理解できていない。
僕も理解できなかった。
モヨリの事に関して調べるのに一生懸命で、彼女の職業の占いについてはまだノータッチだった。その後それら専門用語について調べたがやはり、僕の欲しい情報ではなかった。
猛勉強している内に、
僕はある魔法にたどり着いてしまった。
恐らくそれは最も強力な魔法。「虚無の魔法」だった。
つまり虚無感のことだ。
この魔法は相手に虚無感を感じさせるという魔法だ。
物凄く強力で、防ぎ方がない。
なにしろその魔法の正体は名のとおり「無」なのだ。
ないのだ。
存在しないのだ。
存在しないものが自分に向かって襲いかかってきたとして、どうして避けることができようか。
いやできるはずはない。
その魔法にかかれば、この世に存在する物、感情、思想、考え等なんでもかんでも「無」にされてしまう。忘れてしまう。
その虚無に関しての魔法を知ったときに1つ思い出したことがあった。
小学校の時に習ったが人間界の日本には仏教があり、
成仏という言葉があるのだそうだ。
虚無感とはその「成仏」というものに似ていると僕は思った。
なんとなく、マイナスのイメージだ。
そのとき習った記憶によれば、成仏とは「気持ちを仏という存在にに変化させる「居というもの。
言ってみればこの世のものではなくなるということだ。
しかし、「虚無」と「成仏」とではちょっと違うらしい。
やはり、成仏というのは「仏」という「有る」存在に「成る」ということ。
一方「虚無」は、特に何にも成らず、あくまでただ単に「無くなる」ということ。
成仏とはよく考えてみれば、ある存在を無にしてしまう行為ではなく、仏という、「有る」存在に変えるという、言い換えるのであれば無の魔法ではなく、有の魔法であった。
虚無の魔法とは似ているというより、むしろ逆の性質を持っていた。
今まで全然知らなかった。「無」の魔法を。
こんなに重大なことをよくも今まで知らずに生きてこられたものだと思ってしまう。
しかし、「無」の魔法の正体は結局の所、「無」だ。だから知らなくっても生きていけるというのは確かにその通りだ。無いものを知る必要は無い。
さらに調べてみると、ワカメの国の隣の国、コンブの国がその「無」の魔法にとても強いらしい。そして国民は普段からこの魔法を多用しているらしい。
コンブは芯が強いのだ。
だから無の魔法に耐えられるらしい。
もしもコンブの国で使われている回数、の無の魔法がワカメの国で毎日のように使われていたら、国が持たないと思う。
ワカメの国だけに、あっという間に海の藻屑と化すだろう。
それはそれでいいのだが、そんな強力な魔法であるところの「無」をもしもコンブの国がワカメの国に対して使ってしまったら、一体どういう事になるだろうか。考えるだけでも恐ろしい。ワカメの国に対して敵対心があるのかどうかわからないが、ちょっとした表紙に間違えてひょいと使ってしまったら、それはそれは大変なことになる。きっとそこら中無いものだらけになるだろう…。結果的に僕のその考えはかなり甘いものだったが、そのときは後でこんな出来事があるなんて知る由もなかったのだ。
新聞には1面にデカデカとワカメの国の女王の顔が載っており、「女王、行方不明」とあった。僕はかなり驚いた。
僕は城へ向かった。
それから、事件現場のあたりのレンガが不自然に消えている。城の痕跡からして、女王はちょうど僕が最近調べていた「無」の魔法にかけられたらしい。となると、やはり事件はコンブの国のやつらがこの城へ忍び込み、そして女王に無の魔法をかけた。
だがどうやって城に進入したかだ。それなりに警備員が居るだろうし、スパイが簡単に進入できるような城ではあるまい。大体城は生き物のようになっている。ワカメの民以外は入れない。コンブの国のやつらが入ったら、絶対に城自体が拒絶反応を起こして外に吐き出すから入れるはずが無い。
一体、どのようにしてやつらがワカメの国に忍び込み、女王に魔法をかけたのか分からない。
まあどちらにしても、結局のところ、コンブの国はワカメの国に対して、敵対心があったのだった。
間違えて無の魔法を使っちゃっただなんてそんな甘っちょるいものではなかったのだ。
誤って国全体に対してかけたのではなく、女王個人に対して、水準を定め、正確に魔法攻撃しかけてきたのだ。これはどう考えても敵意があるとしか考えられない。
ワカメの国の城だってそんなに警備が甘いわけではない。
それから思ったのだが、女王はコンブの国に拉致されたのではない。
コンブの国のやつらが女王に無の魔法をかけたとするならば、女王はきっと虚無的な考えに陥り、虚無的な行動に移る筈。
きっと女王はやけになって、自分自身をどこか適当な世界へ飛ばしてしまったと思う。
恐らく人間界。
新聞では単に行方不明になったとしか書かれていないが、恐らく今女王は人間界に居るだろう。
きっとコンブの国のやつらもそのことに気が付いていると思う。
恐らくコンブの国のやつらは、ワカメの国の民が性質上無の魔法に弱い事をよく知っていてそれを使って女王をどうにかしてしまおうと考えたんだ。
でも、どうして?コンブの国はワカメの国に戦争を仕掛けるつもりなのか?
もしその通りだとするならば、今女王が現にいなくなってしまって、国の魔力はかなり弱まっている。やつらの思う壺である。
夢の国の1つ、ワカメの国からは特別な測定魔法を使わなければ見えない、一種の電磁はのようなものが発せられている。その電磁波は言い換えるなら魔力そのもの、魔力が微弱ながら外に向かって発せられているのだ。
先ほど僕はその測定魔法でその電磁波を測定してみたが、かなり弱まっていた。
夢の国にとって、この電波は国力そのものだ。魔力が強ければ強いほど、その国のが強いことを指している。夢の国にとって、魔力は存在そのもの。魔力が0になれば、国は消滅してしまう。グノーシス的思想で考えるならば夢の国は人間の世界と違って、物・霊で分かれてはいない。夢の国は霊でしかない。人間がこちらに来ていた時代は、彼ら人間にはワカメという物体、や家等が見えていたかもしれないが、それは、彼らが夢の国を理解するために、自分自身に見せている「記号」に過ぎない。実際にはワカメの国には彼らには理解できない事、物が沢山ある。ワカメの国ではよく聞かれる話だが、人間がこちらにちょくちょく来ていた時代、彼らは私達が見ている物をあたかもそこにないかのような目をしていることがあったと。彼らにとって理解できないものは、彼らはそれを透けて通ってしまうのだったらしい。
たとえば、僕のおじいちゃんは人間界にお友達がいるらしいが(けっこう最近の事らしい)、その人間のお友達とワカメの国の街中を歩いているときに、その人だけよく「物」を通り抜けたのだという。しかもそれには本人は全く気がついていない様子だったらしい。
つまり、彼らは、自分に理解できるものしか見ない傾向があるらしい。
研究によると、ワカメの国に来れる人は、それでも自分に理解できない事も見る能力が高いらしいが、それでもワカメの国の民にとっては、かなり劣っている…というか、見えていないものが多いらしい。僕が思うにきっと僕が人間界に行っても僕に理解できないものはあるとは思うのだが…。
其の変身ドリンクを飲んで魚の姿に成り、僕は竜宮城へ向かった。
和布の姿では速く泳げない。
妖精がドラえもんの道具を使って魚の姿に成った。
と言うか僕だった。
竜宮上に着いた。
竜宮の周りには竜宮の使いがウロチョロしている。
守衛の役割を負って居る「リュウグウノツカイ」だ。
どうしよう、この先、何も考えずに着てしまった。
僕の魔力では守衛を巻い(まい)て宮中に入る事は出来そうに無い。
困った。困った。相当困った。どうしましょったらどうしましょ。
閃いた。
と言うか鰭(ひれ)がというか、手が何かに当たった。
ワカメの国の中のドグナ家のディクドトリの部屋、詰まり自分の部屋で飲んだ「変身ドリンク」を持って来て居た。
「即行動!」を座右の銘にしていた為か、最近の僕は猪突猛進気味である。
其の猪突猛進さが功を奏した様だ。
僕は学ぶ。
勉強する。
が、何でも知っている訳では無い。
知っている事だけ。
僕は頭が切れる。
しかし其れは勉強をした事を元にして考えるから、閃くのだ。
僕が今回閃いた内容は、「竜宮の遣い」の姿をして、竜宮中(りゅうきゅうちゅう)に入るという事だ。
変身ドリンク、体内に注入!
ごくごく。
竜宮のツカイ、竜宮の使い、リュウグウノツカイ…。
竜宮の遣いの姿を頭の中に一生懸命に思い浮かべた。
竜宮の使いの姿を頭に思い浮かべる事は簡単だった。
何故所以(なぜなら)先程見たばかりだからだ。
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- 2012/09/10(月) 23:48:19|
- ワカメの国
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